枝元真徹大日本水産会会長は、令和6年4月24日(水)~26日(金)にかけて、本会に設置した令和6年能登半島地震対策本部を代表し、富山県及び石川県を訪れ、被災状況を直接確認するとともに、関係市町及び漁協系統等を訪問し、復旧復興に向けた課題などを伺った。24日は富山県漁業協同組合連合会を訪問し、道井代表理事会長、谷代表理事専務と面談。シロエビ、アマエビ、ベニズワイガニ漁などの漁獲不振や、海底環境変化についての底質調査の必要性等についての課題が挙げられた。25日は石川県漁協輪島支所を訪問、笹原代表理事組合長と面談。輪島港の隆起については、浚渫工事が必要であり、荷捌き所等の陸上施設については、安全性確認のための調査が求められた。続いて輪島市役所にて坂口茂市長と面談。輪島市全体が隆起し、荷捌き・製氷・油供給施設の復旧が急がれるとのこと。その後珠洲市役所にて泉谷満寿裕市長と面談。家屋の被害が著しく、断水の解消にも時間を要している。鮮魚店も数多く被災しており復興にあたり鮮魚店を集約し、複合施設としての観光地化を検討とのこと。この日は最後に能登町役場にて大森凡世町長と面談。津波により定置網が多少損壊、現在は水揚げを再開しているとのこと。26日は、県漁協のかなざわ総合市場を視察、県漁協の福平専務理事と面談、輪島港で水揚げができないため、近隣漁港での水揚げを検討、移動距離や燃油負担等の問題もあり思うように進まないとの話があった。港では震災後初となり採られた海女さんによるワカメが水揚げされていた。金沢市中央卸売市場では、石川中央魚市株式会社の辰村会長、乙村社長と面談、水産物の集荷量が少ない、生産者が被災し金沢に一時避難している方が多いため、地元に帰れる体制構築が急がれるとの課題が挙がった。各訪問先での面談の通り、課題が数多く山積みしていることを改めて認識させられた。枝元本部長からは、本会設置の対策本部は、オール水産のメンバーで構成されており、民間パイプとして活用いただきたい。定期的に被災地を訪問し、要請活動等を通し、被災地の復興の一助となれるよう尽力すると面談した方々に述べた。
今回の被災地訪問の内容を取り纏め、5月8日(水)に第4回対策本部会議を開催し、要望書を取り纏め、枝元本部長、髙瀨美和子副本部長をはじめとし、網野裕美(一社)全国水産卸協会会長、中津達也(一社)全国いか釣り漁業協会会長、髙吉晋吾(公社)全国漁港漁場協会会長、三宅哲夫日本漁船保険組合会長理事、大石浩平全国さんま棒受網漁業協同組合専務理事、玉置泰司(一社)日本定置漁業協会専務理事、平井克則(一社)大日本水産会理事・漁政部長の計9名で5月10日(金)に森健水産庁長官に震災要請を行い、要請書を手交した。水産業再生復興要請文
森長官は、「被災地に足を運び、現場の声を届けて頂き感謝する。これまで漁港・施設、漁船・漁具の復旧や漁場回復支援などの支援策を講じてきており、能登では漁業が一部再開していると聞いている。今回頂いた要請も踏まえながら、引き続き、被災した漁業者に寄り添い、県等とも連携して、スピード感を持って水産業の復旧・復興に取り組んでいく。」と述べた。