令和6年1月11日、本会大会議室にて第1回能登半島地震対策本部会議を開催した。被災地と関係のある11団体が参加し、事前に行ったアンケートに基づく被災状況について各団体から知り得る限りの説明を受けるとともに、今後の対応方針や業界としての課題、要望、義援金、について意見交換を行った。報告としては、被災地に特に関係の深いいか釣りは徐々に状況がわかって来つつあるものの、定置関係は道路などのインフラが復旧していないため、具体的被害状況の把握はその後であるとの意見があった。能登半島に位置する石川県北部、富山県西部に被害が集中している。被災者救済のためのライフラインの確保・生活インフラ等の整備の他、被災漁船の再建の他、下記の意見が出された。
- 関係当局を通じた被災地主要港湾(小木港、金沢港、七尾港)の状況確認
- 被災地漁協の業務再開のため、漁協設備の早期の安全確認調査の実施
- 被災地域の水産加工業者のインフラの回復
- 被災地水産加工業の販路回復・開拓
- 金沢市中央卸売市場の建物損壊部分の早期修復
- 被災地漁港の整備・回復
- 被災地域における特定技能実習生の給料の支払い対策について
上記震災対策本部で出された要望を含め、枝元本部長、髙瀨美和子副本部長はじめ取り纏めた要望書を携え、被災地と特に関係の深い網野裕美(一社)全国水産卸協会会長、中津達也(一社)全国いか釣り漁業協会会長、髙吉晋吾(公社)全国漁港漁場協会会長,竹葉有記全国水産加工業協同組合連合会代表理事専務、玉置泰司(一社)日本定置漁業協会専務理事、平井克則(一社)大日本水産会理事・漁政部長の計8名(中津会長、髙吉会長は森長官への要請のみ)で1月15日に森健水産庁長官、宮浦浩司農林水産審議官に震災要請を行い、要請書をそれぞれ手交した。水産業再生復興緊急要請文
森長官は、「被害の全容がはっきりしない中、まだまだ被害は増えてくるのではないかというような状況。水産庁、政府を上げて、関係地方自治体、特に石川県とも連携をして、まずは被害の全体把握に努めているところ。今回は前例のないあまりにも大きな被害。漁業、水産加工業の再生復興に向けては、国の行政のみならずいろいろ全国各都道府県の協力を得ての取組が必要になるし、さらに漁業、水産加工業関係の各事業者の方々、団体の方々にも、色々とご協力をお願いすることになるかと思う。今日頂いた要望については、しっかりと対応していきたい。」と述べ、漁業取締船を活用した支援物資の輸送では、大日本水産会が取りまとめた支援物資を14日蛸島に陸揚げしたことを報告、謝意を表した。
宮浦審議官は、「馳知事が、奥能登農林水産業を国でまとめてスマート化して色々と特別対策をやって欲しいと今日の午前中に会見を行ったとの事。食品産業も忘れないようにということで省内では話している。政府でも今回、中小企業の対策と農林水産の対策は万全を期すとの話があったので、その中で予備費以外の部分でも対応していく事になると思う。今後の政府の動き次第の部分もあるが、色々とアンテナを張りながらやっていければと考えている。まだ情報収集手段が少なく結構苦労しているので、何かあれば、水産庁経由でも構わないので、教えていただけると助かる。」と述べた。