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大日本水産会
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プレスリリース平成13年10月18日
大日本水産会事業部
BUTTON FOC漁船廃絶に向けて、EUが規則改正へ
スペインはFOC漁業関係船に対する漁業許可取り消し決定
−IUU・FOC廃絶国際行動・加速−

大日本水産会の欧州地区コンサルタントの情報によれば、EU委員会は、FAO(国連食糧農業機構)で採択されたIUU(違法、無報告、無規制)漁業廃絶国際行動計画に関し、FOC(便宜置籍)漁船廃絶の具体策を強化するため、関係規則を修正する案を作成し、本年12月予定の漁業委員会で審議する。現在、検討されている修正案は、「国際的な資源保存措置の効果を損ねる方法で操業する国として、関係漁業機関が認めた国へ船を移籍するために要する資金の公的援助を禁止する」ものであり、漁船のFOC化を資金面からも絶とうとする具体策の一環と評価される。(現在、EUは漁業構造改革に関連して、船籍を便宜置籍する際に、補助金を支給している。)

一方、スペイン政府は、本年6月26日 マドリッドで、IUU漁業対策会議を開催し、その結果を受けて、国内法を改正し、IUUまたはFOC漁業に関与するスペイン漁船の許可を取り消す措置を実施した。(ラス・パルマスは、大西洋におけるFOC漁船受入港として、実態が明らかになるにつれ、その締め出しを求めるEU内部の声が次第に高まっており、スペイン政府もIUU・FOC漁船廃絶に向けて責任ある対応を取らざるを得ない状況となりつつある模様。今回の国内法の改正もかかる状況を反映したものと考えられる。)

このように、国際社会でIUU・FOC漁船廃絶の動きが、急速に進展しつつある状況の下で、日本が相変わらず、FOC漁船の漁獲物に対して市場を提供し続ける姿は、日本の歪んだ資源管理の象徴として、現在は環境保護団体が非難の声を挙げているが、いずれ、国際社会からも厳しい批判を受けるることとなることが懸念される。