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大日本水産会
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BUTTON 平成13年の日本200海里水域内及びロシア200海里水域内さけ・ます流網操業

本年度の日ロ漁業合同委員会第17回会議が3月27日から4月6日の間モスクワで開催された。会議では、本年度の日本200海里内における我が国漁船によるロシア産さけ・ますの操業条件が次の通り決定され、本年度の日ロ政府間の漁業分野における科学技術協力計画の採択等がなされた。

1.日本200海里水域内の我が国漁船によるさけ・ますの操業条件

(1)漁獲可能量

(  )内は前年値

カラフトマスシロザケ合 計
太平洋側4,190トン(4,700トン)460トン(420トン)4,650トン(5,120トン)
日本海側520トン(800トン)520トン(800トン)
合  計4,710トン(5,500トン)460トン(420トン)5,170トン(5,920トン)


(2)漁業協力費


6,7億円〜7,7億円の範囲で漁獲実績に応じて決定(前年は、7,03億円〜8,59億円の範囲で決定されたが、実際には下限である7,03億円に相当する設備をロシア側に提供することで本会とロシア連邦漁業国家委員会の間で合意された)。

2. ロシア200海里水域内の我が国漁船による漁獲可能量については、12,000トン以上とし、具体的な操業条件は、今後、関係業界がロシア連邦漁業国家委員会と協議(所謂民間協議)の上決定することが決った。
【解説】
結果としては、値段の高いシロザケ枠が太平洋側で40トン増加し、カラフトマスについては、太平洋側、日本海側とも操業隻数が減少している実情を反映し、枠が減少され、さらに協力費の下限も昨年より引き下げられなど、我が方にとり歓迎すべきものとなった。また、民間操業枠については、本年は12,000トン以上(前年は14,000トン以上)ということで合意されたが、中型さけ・ます漁船の出漁隻数も減少が予想されており、こと量的なことに関しては問題はないと思われる。

G・Gベースによる操業は、日本海側では4月2日から、太平洋側では4月15日から始まっており、最大で日本海側10隻(許可隻数は15隻)、太平洋側134隻(許可隻数171隻)が操業する予定となっている。漁業者は、魚価の低迷、協力費の高額負担等により苦しい経営を強いられており、なかなか経営改善できないのが現状である。

民間交渉については、4月下旬にモスクワで行われる予定だが、ベニザケ枠規制、高額な入漁料、魚価の低迷等問題点が多く、交渉は予断を許さない。