BACK  HOME
大日本水産会
LINE

大水ニュースレター
第742号

BUTTON 「経営体峻別し、集中的に政策支援」 BUTTON
基本政策小委が「漁船漁業再生のための提言」を了承

自民党の水産基本政策小委員会(浜田靖一委員長)は3月29日午前党本部で会合を開き、漁船漁業をテーマに議論し、水産政策推進議員協議会の北村誠吾漁船漁業専門部会ワーキング座長が"経営体を峻別し集中的に政策支援する"などを骨子とする5項目の「漁船漁業再生のための提言」を行ない了承した。中須勇雄大水会長は「業界として自助努力はするが、できるだけ多くの経営体を残すよう配慮をお願いする」と要請した。

  1. 将来を担う経営体に対する集中的な政策支援=世界的な需給を含む市場の動向、漁業資源の状況、漁獲努力等に関する冷徹な見通しに基づいて確立した将来展望に即して、自助努力によって思い切った経営の合理化を進めることにより将来にわたって水産物の安定供給という需要な使命を果たすことができる経営体を峻別し、金融措置、省エネ・省コスト支援、協業化支援等の集中的な政策的支援を行うこと。
  2. 漁船漁業改革プロジェクトの実施=従来の経営支援協議会の枠組みを充実して、官民の緊密な連携により漁船漁業の改革を推進するための現場の視点に立ったプロジェクトを実施し、自助努力を基本として漁業種類や地域の状況に応じて、収支構造の改革を初め経営の交代や債務の整理を含む思い切った経営改革の取組みを進めること。また、漁業許可に当たっては経営状況や経営能力を勘案すること。
  3. 生産コストの抜本的引下げ=生産コストの抜本的な引下げを図るための具体的な取組みとして、船団構成を含む生産体制の思い切った省エネ、省人、省コスト、合理化を進めること。特に期待される収益に見合うよう船価等を大幅に引下げることや小型船を含む漁船に関する抜本的な規制緩和を進めることにより負担軽減を図ること。また、船齢の高齢化に対応して低コスト船・高性能船への円滑な代船を進めるとともに、構造改革に資する減船等の対策を強力に進めること。
  4. 産地の販売力の強化=適切な魚価の実現を図る観点から、漁獲物の付加価値向上、輸出を含む販路の開拓等により新たなビジネスモデルを確立するとともに、産地表示や市場機能の適切な向上を行い、産地の販売力を抜本的に強化すること。また、零細な規模にとどまっている市場の統廃合等により産地市場及び水産物流通の構造改革を積極的に進めること。
  5. 漁業金融機能等の充実=漁船漁業の構造改革を円滑に進め、健全な漁業経営を確立する観点から、漁業金融機能、融資保証、漁業共済等の充実を図ること。