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大日本水産会
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大水ニュースレター
第714号

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大水が燃油対策委員会を設置

大日本水産会は9月6日午前、大会議室で燃油対策委員会の初会合を開催し、今後の省エネ対策の取組み方などを協議した。燃油委員会は漁業用燃油の高騰対策を検討するため大水内に設置したもので、省エネ技術、取組みの普及啓発、操業形態の点検・見直しなど漁業者が講じる取組み、国の対策への要望などを検討していく。委員長には小坂智規常務が就任した。

初会合では主催者の小坂大水常務が挨拶し「水産業界は魚価安、水産物輸入などに対応してきたが、昨年からの止まるところを知らない燃油の高騰は業界の自助努力を無にするもので、業界の苦境にさらに追い討ちをかけ状況になっている。その中で、大水は関係団体と連携し燃油対策委員会を設置することになり、省エネ対策あるいは水産庁への要望など各方面から燃油対策を講じていく」と委員会設置の主旨を説明した。

水産庁から出席した中前明次長は「燃油対策で水産庁は緊急対策として融資措置を講じ、18年度予算でも省エネ船の導入など必要な予算要求を行なっていく。米国のハリケーン被害もあって、今後燃油の高止まりが予想され楽観できない状況が続こう。従来より自助努力で省エネ対策に取組んできたが、さらなる対策を考えなければならず、そうした時期に大水が委員会を設置したことは大変有意義で、水産庁も支援していく」と激励した。

さらに、「燃油対策は国も対応し、水産庁は既に10回の検討会を開きいくつかアイデアも出ている。操業後1時間早く戻ろうとすると燃油の消費は2割アップすることになり、アップ分をどの程度魚価に反映できるか考えてみる必要がある。また、入港時の補機運転を陸電に切替えたらメリットがある−との意見もあり、これまで検討してきた案件、あきらめていた案件などを再考したらどうか。他産業の省エネは相当進み、漁業も真価を問われるので、今回を契機に出来れば目標設定や工程表を作成し、県にも呼びかけ、全国一斉に組んでいただきたい」と激励した。

具体的な漁業者の取組みとしては省エネ・コスト削減、操業形態の見直しなどを検討する。漁業者団体はコスト削減などの目標設定、省エネ技術の啓発普及、操業形態の点検見直し、効率的な燃油供給体制の整備、系統販売事業の見直しに取組む。

初会合では水産庁が燃油対策関係の18年度概算要求の内容と省エネの具体的な事例についても説明した。出席した各団体は中期的に取組む省エネ対策を9月末までに取りまとめ、大水を通じ10月初旬に水産庁に提出する。

なお、水産庁は今年度緊急対策として制度資金による省エネ設備の導入、無担保・無保証人事業を活用した運転資金の確保などを提示するとともに、18年度予算では省エネ漁船の導入促進、漁場探索など操業の効率化、資源管理にもつながる休漁の推進などの対策を講じ、中期的には漁船漁業構造改革の中で省エネ対策に対応していく。