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大日本水産会
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1998年6月8日 漁政部長 大曽根義克
我が国の漁船漁業におけるハード(船舶等にかかる法律)及びソフト(船員法・船舶職員法等)面における動きは平成時代に入り、大きな変革の中にある。大手水産会社が漁業生産から殆ど撤退したため、漁業に関する船舶・船員関係のハード・ソフトの専門家が極端に減少した。従来、漁業大手が本会の海上特別委員会の業務の牽引役を担ってきたから、影響は大であった。特に、船舶・船員関係の法律はIMO(国際海事機構)における条約に端を発し、これらが国内法に反映されるからである。常に国際会議の動向をワッチしていないと、乗り遅れてしまう。海上関係の国際条約は殆ど海運関係を中心に決められており、それらが漁業界にも適用されてくるという図式である。もともと海運と漁業とは船体構造、航行方法、船舶職員関係、労働実態等異質な点が多く同じ法律で律することが難しいと思うが、同じ法律で規制されている。特例等で一部緩和されてはいるものの、常に法律上では継子扱いのような気がする。昨今の規制緩和の推進で緩和が進んできているものの、漁業界は納得できるものではない。漁業界は、独自の船舶職員法、船員法、船舶安全法等を望んでいると私は思う。近年、種々の理由から魚価の長期低迷が続いており漁業は厳しい経営を強いられ、建造費、修繕費、労務費等のコスト削減がクローズアップされている。

 本会の海上特別委員会及び生産部会はここ数年、漁業界の強い要望によりコスト削減に最大限努力してきたと自負している。その結果、船舶の定期検査の延長(4年が5年に)をはじめ、GMDSS設備の代替措置に伴う大幅な軽減化、外国人の混乗率のアップと漁船マルシップの導入、外国人の漁業研修制度の確立、乗組員の資格向上等、成果をあげている。今後、本会の海上特別委員会は業界のさらなる期待がかけられると思われる。一方、漁業界が望む独自の法律は直ぐには無理であることから、現行関係法律のさらなる緩和措置運動を展開するには業界内に関係法律に強く国際的に通用する人材を育成、また、過去の要望活動の度に求められるのは様々なデータである。よって関係団体にあっては、自分のエリア内の各種の最新のハード及びソフトデータを把握している必要がある。同委員会の事務局は力不足ではあるものの本会が担っている。今後の活動にあたっては、構成団体会社の真剣で最大限の支援と協力なくしては、道は開けないと思っている。我が国の漁業維持発展のために力を合わせようではありませんか。